セミナー開催報告「ソーシャル・イノベーション2015 ~自律共創社会へのロードマップ」

September 15, 2015

現在、政府は地方創生を政策の柱に掲げ、各地域で総合戦略の策定が進められています。
IPCでは、「自律共創社会の実現」をテーマとして設定し、きらりと光る地域の宝物を見つけながら、持続可能な地域社会づくりに取り組んで参りました。
その一環として開催した自律共創社会の実現に向けたセミナーの内容をご報告いたします。

 

 

名称:ソーシャル・イノベーション2015 ~自律共創社会へのロードマップ~
日時:2015年9月15日(火)
場所:TKPガーデンシティPREMIUM神保町
主催:株式会社イノベーション推進センター

 

 

 

 <講演Ⅰ>国が目指す地方創生政策の方向性

鹿野 正人 氏
(内閣府 地方創生推進室参事官, 内閣官房産業遺産の世界遺産登録推進室参事官)

 

日本の総人口が今後急激に減少し、今後100年間で100年前(明治時代後半)の水準に戻っていく可能性があります。さらに都市の状況を他の欧米主要先進国と比較すると、首都圏への人口集中が日本のみ極端です。これら大都市圏では高齢化が急速に顕在化しつつあり、医療・介護が危ぶまれる一方、経済生産性は地方都市が低い状況です。

「しごと」と「ひと」の好循環にそれを支える「まち」の活性化を生み出すため、国が地方に情報、人材、財政の面から支援を進めようと、2015年6月30日に「まち・ひと・しごと創生基本方針2015」が閣議決定されました。ここでは、そこで打ち出しているいくつかの施策を紹介します。

① しごとの創生:例えば観光産業の振興。観光交流人口の増大で定住人口の減少に伴う消費減を補うことが可能になります。 ② ひとの創生:例えば日本版CCRCの推進。高齢者が健康時から地方に移住し、生涯活躍できるコミュニティを形成し、ケアが必要になれば介護・医療を受ける仕組みです。 ③ まちの創生:例えば中山間地域では小さな拠点の形成を、中小都市では都市のコンパクト化+交通ネットワークの形成を推進します。

「情報」についてはビッグデータにより客観的分析を支援する地域経済分析システム(RESAS)、「人材」については各省庁で地方自治体ごとに相談窓口を一本化する地方創生コンシェルジュ制度や小さな市町村へ国家公務員などを派遣する地方創生人材支援制度、「財政」については昨年度の補正予算から来年度要求中の新型交付金など切れ目のない多様な支援により、これからも国は地方を全力でサポートします。

 

 

 

 

 

<講演Ⅱ>

「稼ぐ」まちづくり オガール紫波の官民連携

岡崎 正信 氏 (オガールベース株式会社 代表取締役)

 

“地方創生”は以前から繰り返されてきました。にも関わらず地方都市の衰退は続いています。

社会保障費が増加し続ける中で、今後数年で国の公共事業費は圧迫されるでしょう。地方交付税が削減される可能性は非常に高く、自治体の経営が立ち行かなくなると、人も企業も流出します。地方の課題は人口問題というよりもむしろ財政問題であり、解決するには、まちが稼げるようになるしかありません。補助金だけでは、持続可能な事業は実現できないのです。

オガール紫波は、費用と便益を徹底してオープンに話し合い、経済合理性と市場原理を踏まえて、未来も維持できる事業を吟味しました。都市が稼ぎつつ果たせる機能を複数混在させることで、仕事、職、スポーツ、滞在、楽しみ、という“稼ぐ”機能を創ったのです。また、官民の連携を成功させるためには、官民の境目がわからないように連携することが必要です。私はこれを、「糊しろの最大化」と呼んでいます。

このような、地方の“稼ぐ事業”作りには、単に唐突なアイディアを出したり他のまちの真似をしたりしても効果的ではありません。自分が持っている知識、経験、現状認識の縁(エッジ)に立ち、そこから次の一歩を踏み出すことで、確実な創造性につながるのです。

そして、事業を効果的に実現化する上では、税制優遇などのスキーム構築が国や自治体に求められる支援であると感じています。

 

 

 

 

 

 

 

 

<講演Ⅲ>

IPCが目指す自律共創社会の事業モデル
千葉 淳 氏
(株式会社イノベーション推進センター 代表取締役社長)

 

“地方創生”は以前から繰り返されてきました。にも関わらず地方都市の衰退は続いています。
社会保障費が増加し続ける中で、今後数年で国の公共事業費は圧迫されるでしょう。地方交付税が削減される可能性は非常に高く、自治体の経営が立ち行かなくなると、人も企業も流出します。地方の課題は人口問題というよりもむしろ財政問題であり、解決するには、まちが稼げるようになるしかありません。補助金だけでは、持続可能な事業は実現できないのです。
オガール紫波は、費用と便益を徹底してオープンに話し合い、経済合理性と市場原理を踏まえて、未来も維持できる事業を吟味しました。都市が稼ぎつつ果たせる機能を複数混在させることで、仕事、職、スポーツ、滞在、楽しみ、という“稼ぐ”機能を創ったのです。また、官民の連携を成功させるためには、官民の境目がわからないように連携することが必要です。私はこれを、「糊しろの最大化」と呼んでいます。
このような、地方の“稼ぐ事業”作りには、単に唐突なアイディアを出したり他のまちの真似をしたりしても効果的ではありません。自分が持っている知識、経験、現状認識の縁(エッジ)に立ち、そこから次の一歩を踏み出すことで、確実な創造性につながるのです。
そして、事業を効果的に実現化する上では、税制優遇などのスキーム構築が国や自治体に求められる支援であると感じています。

 

 

 

 

 

 

<講演Ⅳ>

国が目指す地方創生政策の方向性
横尾 俊彦 氏
(佐賀県多久市長)

 

私は、平成9年に41歳で市長に就任しまして、「市役所は市民に役立つ所」「行政もサービス産業」の認識で改革に挑みました。厳しい財政のため予算カットからスタートしました。倒産させない工夫と新時代要請に応える努力、すなわち、財源確保、効率的な事業進、包括的コスト管理による財政の健全化を図ったのです。

行政も経営の視点・発想をもち、行政経営の改革を実践することが重要です。コスト意識、生産性の発想を公共サービスにも導入し、自治体経営改善の工夫やファイナンスを含む経営改善努力を実践してきました。ISO9001登録審査では、自分たちの仕事を分析し、その合理化や改善を求めて見直す習性を身につけるきっかけとなりました。

法制化に先駆けて「市内全校で小中一貫校」に着手し、未来志向の教育とICT利活用を進めています。健診受診率の向上、ガンになっても怖くない社会づくりなどによる「長寿の推進」も実施。業務分析に基づく改革、陳腐なルールの改変、トータルコスト意識による見直し、海外の発想にも学ぶ「行政経営改革への試み」を行ってきました。

我が国行政はICT活用によって「公共経営パッケージ」「ファシリティ・マネ ジメント」「危機管理」「人事管理」「入札改善」「オンライン許認可」などの改革可能性があります。

ICTを活用した、より便利で、より快適な社会づくりをと思っていたところ、期待のルーキー「マイナンバー」が登場。多久市ではマイナンバーが拓く「新たな未来」「新たな行政経営の可能性」を期待し、推進しているところです。

 

 

 

 

 

 

<トークセッション>  自律共創社会への処方箋

モデレーター:川島 宏一 氏(筑波大学教授)

登 壇 者 :前出の講演者

 

トークセッションでは、筑波大学川島教授のモデレートにより官庁、自治体、民間、それぞれのお立場から、地方創生の現状認識と打開策について活発な議論をいただき、セッションの最後には、「地方創生に向けたブレイクスルー」についてディスカッションいただきました。

鹿野様からは、総合戦略は産官学金労言の総力戦であり、客観的なデータに基づいた戦略を立案可能なプラットフォームを国は提供するので、作りっぱなしではなく、目標値を設定し、達成状況を把握し、改善をするという仕組みが必要とのご指摘を、横尾様から地域のヒト資源にフォーカスした「失敗を恐れずチャレンジできる環境によって、「ヒト」の力はどんどん拡がっていく」という指摘をいただきました。

さらに、実際に紫波町で地方創生に取組む岡崎様からは、地方創生における教育の重要性について、将来を持続させる観点と教育と不動産価値の相関関係についてのロジカルなお話をいただき、弊社千葉からは、地域資源を経済価値に換えていく仕組みと、民間を活用した地域をマネジメントの仕組みについてお話させていただきました。

 

 

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